就職先の山形市は職業人野球（朝野球）が盛んだった
自分の勤め先には職場毎に野球チームがあり、どのチームもそこそこ強かった
当時独身寮に住んでいたが、そこにはそれぞれのチームに属する先輩、同僚が住んでおり、その中でも強いチームに属している先輩の試合が明日あるということで応援に来いとお声がかかった
同期の中で吹奏楽経験のO君は、先輩から演奏応援を頼まれる
翌日早朝私たちは先輩の応援のため試合会場の霞城公園へ向かった
両チーム整列し試合開始
吹奏楽経験者のO君はそこでおもむろに楽器を取り出す
ぴょろろ～ろろ～
ぴょろろ～ろろ～
ぴょろろ～ろろ～ろろ～ （コンバットマーチのつもり）
取り出した楽器はクラリネット
お世辞にもうまいとは言えず、むしろ音程が安定しないクラリネットの音 早朝の霞城公園に響き渡るO君の独奏
周りが一斉にズッコケる
相手エースは暴投
こちらの打者はバッターボックスで噴出している
O君は応援（演奏）を続ける
球場は
「オーぱっきゃまらお ぱおぱおぱ 状態」
皆笑ってはいるが、何故か誰も応援をやめろとは言わない
渦巻く爆笑と一生懸命応援するO君
朝六時に霞城公園の球場に響くクラリネット
試合は先輩のチームが勝った
ありがとう O
攻撃の時に相手を脱力させ、こちらをリラックスさせたのは
お前のおかげだ。。。とは言われるはずもなく
今日もリズムを大事にして頑張りましょう‼
行ってらっしゃい
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