5月30日ユアテックスタジアム仙台
ついにその日がやって来た EAST-Bの覇者バンフォーレ甲府をホームユアテックスタジアムに迎えたベガルタ仙台 明治安田J2・J3百年構想リーグ、順位決定戦プレーオフ準決勝(1位~4位) その戦いや如何に

みどころ3選
- 1. EASTグループトップ同士の「頂上決戦」 EAST-Aを首位で通過した仙台と、EAST-Bを制した甲府 秋から本格始動する「秋春制」の新シーズンに向けて、現時点でのチームの完成度と実力をはかる試金石と同時にJ2・J3の覇権をかけ自リーグでしのぎを削った仲間たちのためにも負ける訳にはいかない東地区の頂上決戦 堅実な守備とスリーバックのフォーメーションは似た者同士の戦い
- 2. 本番モードとユアスタの熱気 ユアテックスタジアムでサポーターが作り出す最高の雰囲気は味方を鼓舞するのと同時にアドレナリン全開で挑んでくる相手選手をもさらに刺激し、いつも以上の力を引き出させてしまうユアスタの法則 直近となる5月23日のグループリーグ最終戦(横浜FC戦)がそうだったように(0-3と悔しい敗戦)本拠地「ユアスタ」に甲府を迎えるにあたり、当日のアクシデント等があり、非常事態的布陣だった前節のディフェンス面の課題をどう修正し、サポーターの前でアグレッシブな姿勢を取り戻せるかが大きなカギとなる と、同時に相手選手のアドレナリン放出ルートを根本から遮断させるぐらいの圧倒的応援力が我々サポーターに試される時(でも相手も心地よくなっちゃうんだろうなぁ。。。)
- 3. 「仙台の崩し」vs「甲府の鉄壁と一撃必殺」の戦術パラドックス ピッチ上の最大の見どころは、戦術的な矛と盾のぶつかり合い アウェイに乗り込む甲府の武器は「被シュート成功率5.8%」を誇るリーグ屈指の守備ブロックと、少ないチャンスを確実に仕留めるエース・内藤大和選手らの高い決定力 まさに堅守速攻 ホームで主導権を握りたい仙台が甲府の強固な3バック(こちらが攻めに時間をかけると途端に5バックの守備ブロックとなる)をどう揺さぶるのか 逆に甲府がペナルティエリア内で冷静に耐え凌ぎ、両WBのクロスや精度の高いショートカウンターで仙台の背後を突けるかどうか、このあたりが勝敗を分ける見どころ 前節アンカーの両サイドを横浜にうまく使われた仙台は、スリーバックとアンカー両WBがどのような動きで相手をいなしチャンスを創出するのか、そのための布陣を森山監督はどう考えて挑むのか? まさに負と負を足すと正になり、守と守を掛け合わせると攻になる戦術パラドックス
相手のおさらい(これまでの甲府の戦い)
1. フォーメーション
甲府の基本陣形は、ベガルタ同様スリーバックの攻守のバランスに優れた3-4-2-1システム
- 基本布陣 (3-4-2-1): シーズン序盤(第1節・福島ユナイテッドFC戦、第4節・松本山雅FC戦など)から継続して採用 3バック(小出選手、福井選手、井上選手など)と両WB(荒木選手、佐藤選手など)でピッチを幅広く使い、安定した試合運びを見せてきた
- オプション運用 (3-1-4-2): 第16節のいわきFC戦などでは、過密日程や相手の対策を考慮して大きくターンオーバーを実施 アンカー(武井選手)を配置し、インサイドハーフに佐藤和弘選手や安田選手を並べる3-1-4-2もテスト、長丁場のリーグ戦を戦い抜くための戦力底上げと柔軟なシステム運用でシーズンを通して戦える耐力をつけている
2. 戦術
各種データから読み解くと甲府の戦術的特徴は、「ゴール前での驚異的な粘り強さ」と「少ないチャンスをモノにする決定力の高さ」に集約される
■ 守備戦術(リーグ屈指のシュートブロックとGKの壁)
- 1試合平均 被ゴール数: 0.72点(リーグ2位)
- 被シュート成功率: 5.8%(リーグ1位)
守備面での最大の特徴は、シュートを打たれてもゴールを割らせない堅守 データ上、1試合あたりの「被ゴール期待値」は1.400とピンチ自体は少なくないものの、実際の失点はわずか0.72に抑え込んでいる ペナルティエリア内での体を張ったブロックや、GKのファインセーブによって、相手の決定機を見事に防ぎ切る戦術が浸透している
■ 攻撃戦術(クロスとショートパスの合わせ技)
- 1試合平均 ゴール数: 1.11点(ゴール期待値 0.843)
攻撃面では、ゴール期待値を大きく上回る高い決定力が光ります。得点パターンを分析すると、以下のような多彩な崩しが確認できる
- クロスから: 28.6%(6得点)
- 30m未満のパスから: 23.8%(5得点)
- スルーパスから: 23.8%(5得点)
両WBからの質の高いクロスを攻撃の軸としつつ、中央の狭いエリアでも短いパス交換やスルーパスで相手ディフェンスラインを切り裂く形が確立されている
3. キーマン
攻守において、以下の選手たちが今の甲府の優れた数値を力強く牽引している
- FW 内藤 大和(ないとう やまと)選手 現在最大のキーマンであり、チームを引っ張るエースストライカー 自身のゴール期待値が「1.825」であるのに対し、実際のゴール数はチームトップの6得点を記録。非常に高いシュート技術と決定力を誇り、甲府の「少ないチャンスを確実に仕留める」戦術を最前線で体現
- FW 太田 龍之介(おおた りゅうのすけ)選手 & FW 藤井 一志(ふじい かずし)選手 太田選手(3得点)と藤井選手(2得点)も、攻撃陣を牽引する重要な存在 前線でのハードワークと、内藤選手に次ぐ得点源として、相手ディフェンスの脅威となり続けている
- GK 河田 晃兵(かわた こうへい)選手 & 守備陣(福井 啓太選手、井上 樹選手ら)リーグ1位の「被シュート成功率5.8%」を最後尾で支える守護神とディフェンスライン 期待値(1.400)を大幅に下回る低失点(0.72)は、河田選手のビッグセーブと、3バックを中心とした集中力のある守備対応なしには語れない 河田選手の怪我の情報もあり、今節はどのような布陣で臨むかも注目
甲府と言えば個人的に古くはバロン、バレー選手、最近ではピーターウタカ、アダウィントン選手と協力FWを擁し、個の力で得点するイメージが強い だが、意外と相性はわるくないと言うのが自分の勝手な印象(通算対戦成績は46試合 21勝 14分 11敗) 対する本日の仙台だが、けが人の復帰状況も気になるところだが、相手をリスペクトしすぎずEAST-Aの覇者としてホームで受けて立つ堂々とした戦いを期待したい
試合経過
1.本日のメンバー
- GK: 林選手(サブ 堀田選手)
- DF: 奥山選手、菅田 選手、井上選手、(サブ 韓選手、マテウス選手)
- アンカー: 鎌田 選手(サブ:松井選手)
- WB:五十嵐選手、石井選手(サブ 杉山選手、南選手)
- MF:荒木選手、武田選手、(サブ 横山選手)
- FW:中田選手、岩渕選手(サブ 古屋選手、安野選手)
EAST-Aの覇者としてタイトルを狙う仙台、現時点でのベストと思われる布陣で挑む そして注目は前節横浜FC戦で露呈した「アンカーの両脇」のケア 今日はボール保持とキラーパスに秀でた鎌田選手を中心にDF陣、両WBがどのような対応を見せてくれるか
2.試合展開:矛盾のたたかい(ジャックナイフ(矛)石(盾)をうがつ)
試合は予想通り、今季リーグ屈指の失点の少なさを誇る甲府の強靭な5バック化「盾」に対し、仙台がどう切り込みをかけるかという構図で進む
1. アンカー鎌田選手 前節の反省を活かし、アンカー鎌田先週の両脇を前節は脳震盪の影響で出場できなかった奥山選手、そして井上選手がインテンシティでカバー 甲府のカウンターの起点となるパスをことごとく遮断 前半は甲府に攻め込まれはするものの、チャンスを作らせる前にしっかりブロック、暑さも考慮しむやみにボール奪取は選択せずしっかり連携と言う名のブロックを組む(とわ言え、菅田選手、奥山選手のバックパス時のヒヤリがあったが)鎌田選手は相手に寄せられても焦るでもなく、急ぐでもなく楽しそうにボールと会話しながら機を見て味方にパスを供給 一方の甲府は現状の戦い方に自信がうかがえる やはり攻め込まれると素早い帰陣で5バックでのブロックを構築 攻撃に時間をかけると相手の綻びは殆どなくなっている状況が続く
甲府の盾に幾度となく切り込んだ武田のジャックナイフ
2. 盾に切り込んだジャックナイフ・主将が時空変化を起こしこじ開けた均衡

この日の仙台は相手の最終的な守備ブロックは崩せないものの、セットプレーでのチャンスはここまで数度作っている キッカーは武田選手と荒木選手、特に武田選手の鋭い低い弾道のキックは相手に色々考えさせるジャブのような役割を果たしたのではないだろうか? すると後半54分、相手エリアで得たベガルタ仙台のセットプレー キッカーは武田選手 精度の高い彼のキックがゴール左のポストを直撃(その切れ味はジャックナイフそのもの) 跳ね返ったボールが菅田選手の前へ ここで会場全体の時空が変わる 1分が60秒の60進から1分が10コマぐらいのまばたきのそれへ 菅田選手の手前にボールが落ちる ボールを見た菅田選手はまわりの状況を見渡す 状況を把握するとボールを浮かさないように体の中心を少しボールの横にずらし回し蹴りの態勢をとる フィニッシュはここだと言うタイミングでボールを蹴る しゅんっ とボールはゴール中央右に吸い込まれる ゴー―――――――ル 甲府の硬いディフェンス 均衡を破った瞬間 キャプテン菅田選手が決める
仙台先制
3. 強度を維持し「閉じ」に行く 71分の仙台は荒木選手に代え松井選手を投入 ここで松井選手をアンカーに回すのかと思ったが、この日中盤の底で安定していた鎌田選手はそのまま、ボール奪取に長けた松井選手をシャドウに置くことでショートカウンターで追加点を狙う作戦に出た 逆に言うとそのくらいこの日の鎌田選手はチームの信頼を得ていたという事だと考えられる 80分には安野選手、古屋選手を投入 これは単なる時間稼ぎではなく、前線からのプレッシングの強度を落とさず、甲府のビルドアップを狂わせる明確な意図があった 最後まで「攻めの姿勢を崩さない守備」で1点を守り抜き、笛が鳴るその瞬間までユアスタのボルテージは最高潮に達しているかどうかわからない(だって底がないから(笑)) そしてこの日の二人はがむしゃらに見えるが、頭は冷静「今チームにとって一番大事な事」をしっかり理解しており、時間を使うところは無理をせずセーフティファーストで試合を進めて行く 88分にはゴール前の事故対策として高さのあるマテウス選手とこの日も走りまくった石井選手に代え、ゴールからのこぼれ球をかっさらう役として南選手を投入し試合のクロージングをはかる
試合はこのまま動かず
ベガルタ仙台1-0バンフォーレ甲府
ベガルタ仙台勝利
3.本日の試合結果
明治安田J2・J3百年構想リーグ
プレーオフラウンド第1戦
2026.5.30 SAT 14:03 KICKOFF
ユアテックスタジアム仙台
ベガルタ仙台1-0バンフォーレ甲府
本日の出来高(次節含め750万円~1500万円確定)
累計2,150万円也
試合雑感
1.鎌田選手が奏でる「中盤の協奏曲」
この日の主役はやはり、アンカーに君臨した鎌田大夢選手だと思う

彼のプレーはもはや単なるパス回しではなくピッチ全体をキャンバスにし、自身のパス一本でチーム全体の動きを調律する。まさに「鎌田が奏でる協奏曲(コンチェルト)」が、ユアスタの空気に溶け込んでいた 時に緩急をつけ、時に針の穴を通すような縦パスで攻撃のファンファーレを鳴らす 彼のタクトこそが、仙台の攻撃に命を吹き込む 失敗すら楽しそうに考えている彼こそまさに”プレイヤー”なのかもしれない
2.帰って来た両WB
そして石井選手、五十嵐選手の両WBはやはり安定、石井選手の相手との間、重戦車ばりの五十嵐選手の強さと甲府の強力な攻撃陣に対峙し最終的に枠内シュート1本だったと言う事実 彼らの活躍なくしては成し遂げられなかったもの
3.伸びている途中ですが何か?
そして、終盤にピッチへ立った安野選手、古屋選手。 彼らがボールを追う姿勢、ゴールへ向かう野心は、確実にチームに活力を与えています。次節の決勝、そしてその先のJ2の舞台でも、彼らの爆発が仙台をさらなる高みへ連れて行ってくれるはず

また、この日主審を務めていただいた山下さん 時折仙台サポからのブーイングがあったが、明確な基準と笛を吹く場合の現場を見るポジション等、非常に明確でフェア、スムーズな試合運営をしていただいたと感じた 現場の映像を頭の中で整理し、笛を吹く所作に瞬時につなげる 審判って難儀な仕事だなぁとも感じた瞬間でもあった
今日はスタジアム満員とはいかなかったが、ベガルタ仙台サポーター、甲府サポーターの素晴らしい応援 選手、サポーター、運営側の全ての人が作り出す週末の素晴らしい時間を堪能する事が出来た 加えてキャプテン菅田選手の時空をとらえたゴールと 本当に素晴らしかった
さぁ次はいよいよ最終決戦
ホームアドバンテージも出来、登り調子の仙台 目指すは優勝のみ
優勝に歓喜する選手、スタッフ、サポーター そんな未来を思い描き、今度こそ本当に選手を迎えるのだ 満員のユアテックスタジアムで
FORZA仙台
※こちらも良かったら見てください これまでブログで使用した素材をまとめて「明治安田J2・J3百年構想リーグ」EAST-A ベガルタ仙台の軌跡をショートムービーにまとめました
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