毎週仕事で仙台~東京を往復していた今から20年位前の話
その日は週末の金曜日
仕事場の東京から仙台に帰る日であった
いつもより順調に仕事が終わったので東京駅から16時台の新幹線に乗車
自分は指定席を取得し三席シートの窓側(A)に座る
発車前、通路側のC席には50代位の男性が座った
当時自分は会社の仕事が忙しく仕事関係の専門書(なんか分厚い)を
席で広げ仙台までの1時間半を過ごすことを考えていた
東京駅を出発すると間もなく通路側に座っている男性に声をかけられた
「あんちゃも まー のめじゃ」
彼は日本酒を飲み始め、私に勧めてきたのである。
よく見ると風貌は、浅黒く、髪の毛は艶がなく少しぼさぼさ、無精ひげ、歯がところどころ欠けているようで少ししゃべりが息もれ
「あっ すいません」と私
ワンカップをいただく
すると男性(おじさん)は
「わーや えさひつけたんず」(自分は家に火をつけた)とおもむろに話しはじめる
良く話を聞くと、男性はなんらかの理由で家に火をつけ、自宅の放火犯として関東で服役し、今日青森の田舎に戻ると言う
但し、田舎では自分を受け入れてくれるか不安な模様で
「わーえさはいれっかな?」(私は家に入れてもらえるかな)等と繰り返し私に尋ねてくる。
「色々事情があると思いますが、背景がわからないので私は勝手にどうのうこうの言えませんよぉ」と私が言うと
そうか、そうか「まずのめじゃ」私に飲め飲めとお酒を勧める
「。。。長いなぁ とほほ」
まだ大宮にもついていない
と思いつつも男性の話相手をする
放火犯のおじさんとのみちのくツアー
大宮駅で幸い放火犯のおじさんと私の間のB席に大学生が座って来た
さすが週末の金曜日
この大学生が素晴らしいコミュ力だった
彼は席に座るや否やおじさんからお酒を勧められ私と同様に
「わーや えさひつけたんず」(自分は家に火をつけた)
と私と同様身の上話が始まる
彼は盛岡までの乗車らしい
大宮駅から、出所して青森の田舎に帰る放火犯のおじさん、盛岡に帰る大学生、仙台に帰る私の三人でおじさんの身の上話を聞きながら酒盛りの始まりである
大学生は驚きを交えながら、おじさんの話を傾聴、よりそい、ところどころで承認行為を行っていたように思う
当の私は気が付くと、専門書を逆さに持ってお酒を酌み交わしている始末
新幹線に乗ると時折り思い出すカオスな空間
私は仙台で下車し、おじさんの事を大学生に託し二人と別れた
おじさん、無事家に入れてもらえたかなぁ。。。
夏休みの台風
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